失敗をしないための不動産購入指標(利回り、投資効率、安全率)の目安を紹介

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初心者の戦略

こんにちは、てらのこ(@sally88265041)と申します。2021年12月に地方で4戸アパートを購入した兼業大家です。詳しいプロフィールは▶こちら

初心者
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表面利回りとか、実質利回りとか、CCRとか、この指標の使い方が分からない…

物件の購入指標は、たくさんありますよね。ただ、その指標をどのように物件購入に活かしたらいいのか、分からない方は多いのではないでしょうか?実際、私も言葉だけ知っているのもあり、よく分からなかったので調べ尽くしました。

今回の記事では、築古物件を購入しようと考えている方向けに、代表的な購入指標の目安をお伝えします。全部調べて理解しようとすると物凄く時間がかかりますが、この記事は、初心者でも短時間で理解できるように書きました。ここでサクッと学んで時短してください。

物件購入の指標に使われるものとは?

・表面利回り(グロス利回り)
・実質利回り(NOI利回り、ネット利回り)
・キャッシュフロー(CF)
・自己資金利回り(CCR)

以下、順番に解説していきます。

表面利回り=年間家賃収入÷物件価格

不動産情報サイトで、オーナーチェンジなどの収益物件を検索したときに出てくる利回りです。グロス利回りとも呼ばれます。

この利回りの注意点は、空室期間や家賃滞納などは考慮されていないことです。さらに、満室”想定”の年間家賃収入が記載されていることがあります。空室があっても想定する賃料で計算して利回りを出しているのです。この想定する賃料は、利回りを良魅せるために高くしていることもあるので、信用しないほうがいいです。

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利回りって高ければ良いわけじゃないのか…

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じゃあ、どういう時に使う指標なの?

表面利回りは、たくさんの物件を見比べるときの指標として使います。例えば、このエリアでは、9%台の物件が多いけど、こっちのエリアでは7%台になるのか…など見比べると地域の市場性が分かり、同じエリア内の物件の収益性も大体比較できます。

☑複数のエリアを比較するときに使う
☑投資エリアの物件を全体的に比較するときに使う

実質利回り=(年間家賃収入-ランニングコスト)÷(物件価格+諸費用)

表面利回りに、諸経費率(15%)や空室率(10%)のランニングコストを入れて計算した利回りです。これは、収益性が把握できるので物件を購入するときの指標として使います。ネット利回り、NOI利回り(営業純利益)と呼ばれることもあります。

諸経費率は予め計算できるものが多いです。購入に前向きな物件は15%で計算はせず、具体的な数字を出しましょう。火災保険料(年払い)、管理費、固定資産税、ローン金利、修繕費などがあります。この経費以外に、税金を引く考えもありますが、ややこしくなるので割愛した方が考えやすいです。

もし、精度を高めたい場合は、所得税住民税の計算と、築年数の経過により将来的に賃料が下がってしまうことも考慮しておきましょう。家賃相場の把握の仕方はこちらの記事に載っています。

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実利は何%あればいいの?

エリアや物件によるので、明確な答えはありません。しかし、実利20%ほどあれば、5年で資金が回収できるので分かりやすい指標となります。特に、地方エリアで築古戸建てを検討している方は目安にしてみてください。その理由について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

☑物件購入前に、できるだけ正確な数字を見積もり、シミュレーションをする
☑地方エリアの築古戸建ては、実利20%を目指す

キャッシュフロー(CF)=年間家賃収入-(ローン返済額+費用)

不動産投資において、キャッシュフローを理解しておくことは重要です。キャッシュフローがないと、継続的に物件が買えず、突発的な修繕も手出しになってしまうことがあります。私は最初きちんと理解ができていませんでした…。

正確なキャッシュフローを出すためには、下記のように税金の計算が必要です。

・家賃年収-経費(管理費、返済利息など)-減価償却費=税引き前利益
税引き前利益-税金=税引き後利益
税引き後利益-ローン元本+減価償却費=キャッシュフロー(CF)

ただし、物件を購入していないことには、正確なキャッシュフローは出せません。目安を知るだけであれば、税金は考えず、年間家賃収入-(ローン返済額+費用)でOKです。キャッシュフローはシミュレーションサイトで計算することができます。

☑簡易的なキャッシュフローは、年間家賃収入-(ローン返済額+費用)
☑正確なキャッシュフローを出すには、税金の計算が必要

自己資金利回り(CCR)=(年間キャッシュフロー)÷自己資金

投入した自己資金に対して、利益が出た割合を示したものが自己資金利回りです。なぜ、CCRも考えないといけないかというと、価格に対しての利回りが低いと効率が悪くなってしまうからです。

例えば、築古戸建ての場合、実利17%というのは普通に検討するかもしれませんが、これが上記のような高値の場合は拡大がどんどん遅くなってしまいます。
・自己資金が潤沢にある
・1~3年に1棟のペースでいい
このような場合は、気にしなくてもいいのですが、効率よく拡大していく上では、自己資金を温存するために融資を使いましょう。

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戸建てでも融資って使えるの?

築古戸建てでも、日本政策金融公庫、信金信組などで融資を使うことはできます。経験上、リフォームローンは割と出やすい印象です。最近、夫が戸建てを購入したのですが、CCRの重要性が分かりやすいので紹介します。因みにこちらの記事の物件です。

❶全て現金で購入した場合、❷自己資金30万円、残りは融資を使った場合を見比べてみてください。

・買値(諸費用込み)270万円
・リフォーム60万円
・想定家賃収入7万円×12ヵ月=84万円
・諸経費(家賃収入の15%)12万円
・返済年数10年
・金利2%

❶全て現金で購入
・年間家賃収入84万-諸経費12万=キャッシュフロー72万円
・買値270万+リフォーム60万円=自己資金330万円
・(72万÷330万)=CCR21%

❷自己資金30万で購入
・年間家賃収入84万-(返済額33万+諸経費12万)=キャッシュフロー39万円
・自己資金30万円
・(39万÷30万)=CCR130%

ご覧の通り、CCRは6倍以上も違います。❶の場合は自己資金を回収するのに5年はかかりますが、❷の場合は1年で回収できます。つまり、次の物件をすぐに購入するための資金を残せるということです。これが、CCRを重視する理由です。 

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じゃあ現金買いはしない方がいいってこと?

例の場合は、リフォーム諸費用込み330万円でしたが、100万円程度の格安で回せるのであれば、当然ながら自己資金の回収率も上がるので、わざわざ自己資金を温存することを気にしなくても大丈夫だと思います。現金買いするときは、価格に対しての効率はどのくらいなのかを必ず計算してみてください。

また、融資を使うということは、金利上昇リスクがあります。また、融資年数が長くなれば、物件の修繕リスクも上がります。何でもかんでも融資をお願いしよう!というわけではなく、物件価格、家賃収入、融資年数、その他リスクとのバランスを見ることが重要です。

☑物件を効率よく拡大していきたい人はCCRを重視する
☑CCRだけで判断せず、総合的に考える

融資(借入)を使うなら必ず理解しておくべき指標

アパート購入を検討している方は、以下の指標も理解しておきましょう。

・返済比率
・イールドギャップ
・投資利益率(ROI)

返済比率=ローン返済額÷満室時家賃収入

家賃収入に対しての返済額の割合のことです。購入したい物件のシミュレーションするときに計算してみてください。返済比率は高ければ高いほど、先ほどのCCRは高くなります。しかし、返済比率が高いとローン返済額の割合も大きいので、突発的な修繕や空室が出た場合に、家賃収入だけでは対応できず、手出しになってしまう場合があります。

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どれくらいが安全なの?

初めての物件購入の場合、取り返しのつかない大失敗を防ぐことが重要なので、返済比率の目安は50%です。ただ、資産背景や物件条件によって多少基準を変えてみてください。

例えば、諸経費率が家賃収入の15%、空室率が10%発生
・返済比率50-諸経費率15-空室率10=手残り25%程の収入が残ります。
これより、修繕費や空室が数%くらい増えたとしても、家賃収入で返済のやりくりできることが分かりますね。

ただし、ここで一つ、筆者の失敗談をお伝えしておきます。

私は返済比率を50%に調整するために、自己資金を多く入れました。拡大はそんなに急いでいなかったので、最初はそれでいいと思っていたのですが、やはり1棟買うとまた次も買いたくなります。なので自己資金で返済比率を調整するときは、目標をよく考えてください。しっかりとした目標を立てなければ、物件購入の基準も立てられないので、まだ目標が明確にない方は、先にこちらの記事をご覧ください。

イールドギャップ=利回り-ローン金利

イールドギャップは、利回りと金利の差を示す割合です。計算することでレバレッジの大きさを判断することができます。例えば、
・表面利回り9%のアパートを購入検討
・金利は2%
の場合は、イールドギャップは7%になります。利回りだけでなく、金利も含めた利回りを考えて投資判断をすることが大切です。ちなみに実質利回りで計算してもいいです。

ネットで調べると、イールドギャップは3%以上、5%以上あればいい、と色々な数字がでてきますが鵜呑みにしないように気を付けてください。投資エリア、物件価格、物件種別などにより、数字は変わるので、自分で基準を持つようにしましょう。個人的には3~5%程度であれば、インデックス投資と変わらないので、それ以上を目指すべきかなと思っています。

投資利益率(ROI)=年間キャッシュフロー÷(物件価格+諸費用)

どのくらいの資金を使って、どれだけ利益を上げられたかが分かる指標です。ROIが高いと投資効果が高いと言えます。

実質利回りに少し似ていると感じるかもしれませんが、ROIの計算式にはローン返済額が含まれています。そのため、返済期間や金利によって数字が変わります。

最後に

物件購入の指標の考え方は、大家さんによって多少違います。大事なのは物件を見て何度もシミュレーションして、自分の目的に沿った購入基準をもつことです。

そして、気を付けてほしいことは、時代によって基準は変わるということです。というよりも「変えていかないと物件は買えない」というのが正しいと思います。不動産コラムを読むと、10年以上前から拡大してきたベテラン大家さんは、現在の市況は厳しいと感じているようです。一昔前は、都市部の築古でも利回り20%以上のアパートが市場に出ていたからです。しかも、融資はフルローンで組めることもできていました。現在の市場では考えられない利回りですね。

そのような状況化だった故に、今は物件は高くて買えないと思っていることも多いようです。しかし、それはあくまで一つの考え方かなと思います。アパートが割高なのであれば、少額でも戸建てで拡大していく方向に転換するなど、今できることを考えて行動していくしかありません。時代に合わせつつも、失敗しないために自分で一度考えて、基準に沿って物件を購入してくださいね。

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